愛犬のためにできること

大切なご家族である愛犬が健康で過ごせるように以下の点に注意しましょう。

狂犬病ワクチン

「狂犬病予防法」により生涯に1回の登録、生後90日以上であれば毎年1回狂犬病予防注射を受けなければいけないと定められています。狂犬病はヒトを含めた全ての哺乳動物が感染し、発症すればほぼ100%死亡します。日本では現在この病気は無いとされていますが、近隣諸国では発生が見られ輸入及び密輸動物などにより、今後持ち込まれる可能性はありますので注意が必要です。
当院では一年を通して接種可能ですが4〜6月は狂犬病予防期間と決められていますので、この時期に注射するようにしましょう。

混合ワクチン

様々な伝染病の予防のために混合ワクチンを接種します。当院では5種または9種を扱っています。子イヌなら生後2~3ヶ月齢より3~4週間ごとに3回接種し、その後は毎年追加接種をお勧めしています。当院で接種した場合は、次回予定日の一週間程前にお知らせ葉書をお送りしています。

寄生虫対策

フィラリア症(犬糸状虫症)

蚊に刺されることで犬糸状虫という虫が心臓(肺動脈)に寄生することで発症します。当院では5月中頃より12月中頃まで毎月1回の投薬をお勧めしています。毎年、投薬開始前には血液検査を行い感染の有無を確認します。

ノミの対策

ノミは、寄生している動物との濃厚な接触やノミの繁殖場所を通ることで寄生します。外出しないイヌでもヒトが持ち帰ることで寄生することもあります。イヌには刺された部位の痒み、ノミアレルギー性皮膚、瓜実条虫の感染などがみられることがあります。また、ヒトも刺し猫ひっかき病(ヒトの病気)の媒介をしているとも言われています。一度室内で繁殖してしまうとなかなか駆除できません.効果のあるノミ駆除薬で確実に予防と駆虫を行ないましょう.
外猫に寄生している場合が多いため、お散歩に行く場合はしっかりと対策をしましょう。

マダニの対策

マダニは野生の哺乳動物が持ち運んでいますが、特にシカの出没する場所では注意が必要です。マダニは犬バベシア症を媒介しますが、ヒトのSFTS(急性熱性血小板減少症候群)も媒介すると言われています。この病気はイヌに感染し、そのイヌからヒトも感染することが近年疑われています。ヒトも命に関わる危険な病気ですので対策をしっかりする必要があります。

腸内の寄生虫駆除

主な腸内寄生虫は犬回虫・犬小回虫・犬鉤虫・犬鞭虫・犬条虫・糞線虫・コクシジウム・ジアルジアなどであり、無症状から軽度の下痢や激しい胃腸障害まで様々な症状がみられます。検便が非常に重要ですが、1回の検便では見つからないことも多く検便では確認できない寄生虫もおり、定期的な駆虫が大切です。種類によってはヒトも感染します。

予防と対策

様々なお薬がありますが、フィラリア予防・ノミやマダニの対策・消化管内寄生虫(犬回虫・犬小回虫・犬鉤虫・犬鞭虫)の対策が一度にできるお薬があります。環境に合わせて薬を選ぶことが大切です。

歯周病予防

歯垢や歯石は歯肉、歯根の感染や炎症につながり口臭や口の痛みとして症状がでてきます。更に進行すると心臓・肝臓・腎臓等にも障害を起こす可能性があります。歯周病対策は家庭での歯磨きが重要ですが、いやがらないようにするためには練習が必要です。デンタルケアのための様々な製品がありますので上手に使い分け、楽しく歯磨きができるようにしましょう。治療が必要な場合は通常全身麻酔にて行なうことになります。

避妊去勢手術

妊娠。出産を希望しない場合は、避妊去勢手術をお勧めします。雄雌とも生後6ヶ月頃に行ないます。この時期に手術することで様々な問題が回避できます。

避妊手術(雌)

卵巣のみ、または卵巣と子宮を摘出します。

良い点
  1. 発情(生理)がなくなります。
  2. 妊娠しません。
  3. 将来の卵巣や子宮疾患の予防をします。最初の発情前に手術した場合は、将来の乳癌の発生率は下がります。
悪い点
  1. 全身麻酔の危険性があります。ただし、病気になってから行うよりも若く健康な時期の方が安全です。
  2. 太りやすくなります。活動性が少し落ち食欲は増す傾向にあり、また体質的にも太りやすくなるからです。食事管理をきちんと行なうことで肥満は予防することができます。
  3. 一時的な膀胱炎を起こす可能性があります。
  4. 早期の手術では特に外陰部の発達が不十分となり、将来排尿障害などを起こす可能性があります。

去勢手術(雄)

左右の精巣を摘出します。特に潜在精巣(陰睾)がある場合はきちんと摘出することが大切です。両側または片側に見られますが、潜在している精巣は将来腫瘍になる確率が正常のものよりも14倍も高いと言われています。

良い点
  1. 雄としての気の荒さを抑え、しつけがしやすくなります。
  2. 発情期の雌への追いかけや脱走を防ぎます。
  3. 将来の前立腺肥大・会陰ヘルニア・肛門周囲腫瘍などの病気を予防します。
  4. 妊娠させません。
悪い点
  1. 全身麻酔の危険性があります。ただし、病気になってから行うよりも若く健康な時期の方が安全です。
  2. 太りやすくなります。活動性が少し落ち食欲は増す傾向にあり、また体質的にも太りやすくなるからです。食事管理をきちんと行なうことで肥満は予防することができます。